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2016年4月23日 (土)

【小説】メモリーを消すまで Ⅰ

本題に入る前に、嬉しい事があったのでご報告させてください(・ω・)ノ



前回、「変則系クアドラングル」について語ったら…


なんと作者の万丈先生にブログを読んでいただいて、まさかTwitterで拡散していただけるという、信じられない出来事が起こりました∑ヾ( ̄0 ̄;ノ
こんな経験初めてだったのでものすごく嬉しかったのですが、同時に読まれても恥ずかしくないように文章力を上げないと、と自分の表現能力の稚拙さにただ悲しくなったのでした…。(思わず全部の記事読み返したよねww)


日々勉強ですね!!笑




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さて、本題に入りたいと思います。
本日は、山田悠介「メモリーを消すまで」第一巻の感想レビューです。


この本を読もうと思ったのは、まあ本屋で平積みされていたからなのですが、
同じような構想を私も持っていたので、自身の参考にしようと思ったからでした。
(漫画や小説を読んで、自分だったらこういう題材やテーマでどう書くかなあ、と妄想するのが好きです。笑)



この作品における世界では、犯罪抑止のために国民の頭に記憶を保存しておくためのメモリーチップを埋め込むことが義務となっている。
そして、罪を犯した人たちの「刑罰」として「記憶削除」が存在し、その「削除」を実行する「記憶操作官」なる職業(資格)がある。


主人公の相馬誠はその「記憶操作官」の一人。相手が犯罪者であっても、受刑者の未来のことを考え、「人」に向き合うことのできる人物です。時に「真面目すぎる」「堅物」「正義感が強すぎる」印象を与えますが、とても真っ直ぐな人物像で好感が持てます。



…が、彼の言っていることは綺麗事でも理想論でもなく、職業人として「当たり前のこと」という気がしてしまうのですよね…
普通、こういう「真面目だけど融通はきかない」タイプの登場人物の場合、「言っていることは正論だけど、現実はそうはいかないだろう」という感想を抱かせることが多いですが、
最早そうでもなく、「その道のプロならそういう意識を持って当たり前なんじゃないの?」っていう感じ。



だから余計、周りの権力欲にまみれた「腐った」(敢えてこう書く)大人たちに共感できないし憤りを感じてしまう。自身の仕事自体にプライドはないのか。
まあ、ないのでしょうね…いるんでしょうね、こういう人が実際にも。
金のためなら何でもやる海住さんとかね…金になる仕事ならもっと他にあるから辞めろと言いたい。




相馬は、自身が所属するMOC(記憶操作センター)に不正が蔓延っていることを確信します。
違法行為を犯し、正当な手続きでないやり方で人の記憶を削除したり、メモリーチップ内の記憶を見ている人物たちがいる。それらが組織内の権力争いの為に、自身の保身のために行われているということ。
やがてそれはとんでもない方向に発展し、「MOCの記憶操作官によるストリートチルドレン達の大量殺人」という未曽有の事態に…



やり過ぎ感はありますが、汚い大人たちの私欲、権力欲をリアルに描いているなあという感じがします。
胸糞悪いとはこのことですね。何としてでも自分の立場を護ろう、更なる権力を手に入れようと躍起になる課長たち。憤りを感じつつ、どこかでありうる現実なのかもしれない、とも思います。こんな大人たちに自分の将来が左右されると思うとおぞましいです…。



「人の記憶を削除できる」という、ある意味他の人間に対して絶対的に優位な権力を持っているだけで、きっと優越感が膨らんでいくのでしょうね。
「記憶削除」という題材と「組織の腐敗」というテーマと、どちらに重点を置いて書かれたのかは分かりませんが、「こんな世界だったらきっとこうなるだろうな」と思わせる、違和感のない設定だと思います。
その反面、「記憶をデジタル化して消去する」非常に未来的な背景設定であっても、組織内の権力闘争、昔ながらの料亭、蕎麦屋での上司部下の会話、などなど、今よりもっと昔を思わせる題材が散りばめられているのも面白いですね。いや、今もまだまだあるのでしょうが。



これ、学生の頃に読んでたらまた感想が違ったのかもしれないなあ。自分が企業という名の組織の一員だからこそ、考えるものがあるのかも知れません。



前編を読み終わったので、この結末がどうなるか、見届けたいところです。黒宮陣営の悪事が明るみに出て敗北することを願います。それはそれで、相馬の立場もなくなってしまうのでしょうが。

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