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2016年10月11日 (火)

【単行本】煉獄のカルマ(3)

三連休の終わりに。

本日は「煉獄のカルマ」です。



この作品、私の中で割と評価高い作品だったりします。
描写はかなりエグいというか、うら天もびっくりのハードないじめ内容なので読んでいて辛い部分も多いですが、

いじめという題材に対して、「いじめを苦にして自殺した高校生の魂が、自身の業を償うために6人を救わなくてはならない」というアプローチが斬新だなあ・・・と。

いじめを目の前にして「防げなかったのか」「自分はどうすればよかったのか」と他人目線で語る作品や、ひたすら耐えるストーリーは多いけど、この作品を見つけたときに「なるほどそうきたか」と個人的にそそられるものがありました。

自殺すれば現世の嫌なことから解放されると思ったら大間違いなんだよ、自殺しても苦しみは続くんだ、という自殺を正当化しない姿勢もその理由も、痛ましいニュースが報道され続ける昨今、説得力を持ってしまう気がする。

そんなわけでこの作品を読んでいたのですが、3巻が書店でどうしても見つからずストップしていたんです。
ですが、最近やっと巡り会えたので即買いしてきました(^ω^)

感想をつらつら書きますね。

前回まで、自殺してしまった高校生・七瀬誠は、6人のうち5人を救済することに成功し、残る一人であるネット友達「ザック」の正体が学校長=実の父親であることを知るわけですが・・・
校長は息子の死という現実を受け入れられず、後追い自殺をしようとしていました。
それを何とか止めようと画策する七瀬。
そして、全校集会の場で・・・・

息子が死を選んだ理由をちゃんと考えようともせずに、「愛し方を間違えた」と話す校長に、草薙君(だったと思う)が突っかかります。
「アンタ 誠がいじめられてた事すら気付いてねーんだな!?」
「被害者面してねーで 息子の顔色もっと見ろよ」

その様子を何も出来ずに見ている七瀬。
最終的に校長は、自殺なんて責任の取り方は止め、いじめを認めた上で早急に対処することを明らかにしました。


七瀬は、それを見て思わずこう叫びます。


もう、どうしようもない、願い。

そんな彼に、煉獄の女性はこうつぶやくのでした。

「それじゃあ…2度目の人生は… 後悔すんなよ?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

七瀬はその後、何事もなかったように「息を吹き返した」。
皆その状況を気にとめることもなく日常を過ごしている。

2度目のチャンスをもらい、七瀬は後悔しない人生を歩むために動き出した。

学校では、七瀬へのイジメを誘発させたことが明るみに出てしまった
霧咲エリカが次のいじめの標的になっていた。
状況がよく飲み込めず、戸惑う七瀬は、エリカを救いたいと思うもなかなか踏み出せずにいた。



エリカちゃん、1巻では逆の立場で、友達をトイレでリンチしたりしてたんですよ。
だから自業自得なんですけど、ちょっと不憫になってくる。
理科室で一人でいるエリカ。七瀬へ謝りたいと思うのに、彼を前にすると嫌味なことしか言えない自分を責めています。




そんな彼女、アルコールランプを倒したことで、火災へと発展してしまい・・・・!

七瀬は、そこにエリカがいると睨んで、「ただの傍観者」から脱却するためにエリカを救い出します。
嬉しいくせに、つい七瀬には冷たい態度を取ってしまうエリカ。



そこへ、正義のヒーローぶった不破が登場します。
注釈つけると、七瀬へのいじめを画策・実行していたリーダー格が不破です。
「エリカを助けた」という手柄欲しさに優しく声を掛ける不破を、拒絶するエリカ。
そんな彼女に暴言、暴力を吐く不破。

それを見た七瀬は、こう叫ぶのです。



で、これまた注釈なんですが、不破が七瀬を虐めていたという悪事が学校側にバレたのは、幽霊だった七瀬が携帯でやり取りを録音したデータがきっかけだったんです。(詳しくは2巻で)

「2ヶ月前から学習しないね」と言ってスマホを操作する七瀬、その手に乗るかとばかり七瀬を階段から突き落とし、スマホを水没させる不破。

お前なんかに学園生活を終わらせられてたまるか、と余裕の表情でクラスメイト達に合流したときーーー

「もうアンタの正体は皆わかってるんだよ!?」

・・・七瀬は不破の声を録音していたわけではなく、
アッコ(注:クラスメイトの一人)に電話を掛け、一部始終を聞かせていたのだった。


もうここがスカッとして最高だったね。


「今は人間的な上下の差なんて 気にしやしない!!
君がそうやってつまらない優越感に浸っている間に
僕は人間として"前"へ進んでやる」



自分の生き方を見定めた七瀬。
不破は退学、エリカへのいじめも止みました。
あーよかった、でお終いになりそうなところですが・・・
そうさせてくれないのがこの作品だ。

この後、予想だにしなかった真実が明らかに。


高校を卒業して半年後、七瀬はある元クラスメイトと会っていた。
日向あかり。

彼女は七瀬が煉獄に落ちて救った6人のうちの一人。
写真で賞を取ったけれども、その写真が七瀬が自殺しようとしている瞬間だったため、心を閉ざしてしまうのでしたが、
たまたまエリカがクラスメイトをリンチしているところに鉢合わせ、写真を撮ることで「救われた」のでしたが、、、


エリカへのいじめは、この日向が不和にその写真を横流ししたことで始まったのでした。
つまり、最初の火付け役はこいつだった。




思えば日向さん、ずっと地味に生きてきて、写真という認めてもらえるものがあっても、エリカという「顔だけ」の人間のほうがちやほやされることに嫌気がさしていたらしいです。

日向が七瀬に吐いたこの言葉が刺さる。


「あれからアナタは前へ進んだんですか?
イジメや自殺は減らせたんですか?
一人でも本当に救えたんですか?
綺麗事じゃ前には進めないんです」










・・・それはそうだけど。
自分が底辺から脱出するためにエリカを貶めた日向を「前に進んだ」って言うのだろうか。そうは表現したくない。
結局、モヤモヤが残るまま、エンドロールのような形で最初の主題が登場してきます。










なんだ、このダンガンロンパ並みの絶望感はーー!
辛い、辛すぎる。この、的確に精神えぐってくる感じ、流石です、分かってますね。。。


ーーーーーーーーーーーーー


その後、物語の主人公は、七瀬から「春川たま子」という女性に移ります。
アイドルを夢見るたま子は、ニコニコして周りの人から可愛がられるエンターテイナーですが、美人である双子の妹に器量で劣っており、
「アイドルになりたい」と母親に言っても、「その顔じゃ無理でしょ」と呆れられる始末。


たま子が漏らすこの言葉が刺さりまくります。


「ブスだからこそ夢を見るんだよ!!
美人は現実だけで充分だろ!!

美人にすべてを取られていくブスにとっては
何かに夢中になって生きること以外 幸せと思えることはないんだ…」








あああああ。わかるよ。。。うん。。。


そうして、バイトも辞め、家出して整形までして、やっとのことで受けたオーディションは受からず、
諦めて家に帰ろうとしたら、たま子はもういないことになっており、所持品をゴミに出されていた。


帰る場所も失い、すべてに絶望したたま子は、車に轢かれようとして道路に飛び出すが、バンがすんでのところで急停止、事故死を目論む失敗。
遭遇したバンには「ハットリ」という知人が乗っていた。
彼らは自殺志願者の集いで、これから自殺しに行くのだという。たま子も同乗することになる。


薬を渡されて、平然と飲み込んだたま子が漏らした一言が、重い。








その場にいた全員に自殺を決意させるには充分だった。


しかし、いざ自殺を決行したら・・・
ーーーたま子だけが助かってしまった。
そこに、あの女性がやってきて、こう告げる・・・・









というわけで、次巻より「集団自殺編」が本格スタート!!
正直、七瀬が出てくる「高校生編」が終わってしまったので、読み進める目的は達成したのですが、
この絶望感が病みつきになりそうなので(笑)
買いますよ、続き。ええ。


どんな結末が待っているのか、怖いもの見たさで続きを書店で探そうと思います。

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